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愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』1本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-01

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。

▼ 1本目『お~~いお茶』


春。
僕は伊藤苑に入社した。
この白く美しい研究棟で僕のドリンク開発者としての人生が始まるのだ。

お爺様「若葉。今日からお前は伊藤家の跡取りではなく、一人の社会人として生きろ。経営者一族とは関係ない、一人の伊藤若葉としてのし上がってこい!」

これは伊藤苑創業者であるお爺様の言葉。
もちろん僕もそのつもりだ。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「僕の夢は世界一のドリンクを作ること。伊藤苑といえば『お~~いお茶』。ペット飲料でありながら舌に広がる淹れたて緑茶の淡い渋み。お爺様がいる茶畑によく泊まりに行ったっけ。広がる緑の絨毯。青い空。そしてこの伊藤苑には幻の大先輩・円青樹がいる。この扉の向こうには伝説の男が!」

そう言った瞬間、研究室の扉は開かれた。

伊藤君「イエティィィ!?」

希望に満ちた扉の向こうから現れたのは伝説の研究員ではなく、伝説の雪男・イエティなのだった。
僕はイエティにぶつかり、跳ね飛ばされ、廊下の壁に頭を打ち付け意識を失った。

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テーマ : 自作連載小説
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愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』2本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-05

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。

▼2本目『伊藤苑』

冷たく硬い床。
そして誰かが僕を抱き上げる。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「瞳を開けると……そこにはやはりイエティがいた」

僕はイエティに抱かれていた。

伊藤君「緑の、深い緑の森の香り。森が醸し出す安心と原始林への不安。暖かい温もりは大地への愛。そして……広がる、どこまでも広がる大海原。これは塩の匂い。瞳は美しく、吸い込まれそうで……」

イエティの瞳は美しかった。優しさと慈愛に満ちた瞳。自然への回帰。
そう、それこそが伊藤苑が求めるドリンクへの本質なのではないか。
お爺様が言っていたこの言葉。
今なら理解出来そうな気がする。

伊藤君「美しいイエティの胸元には……『円青樹』と書かれた名札が」

その瞬間、僕の身体はさーっと冷たくなった。

伊藤君「円青樹!?」

僕は飛び起きてイエティ……いや、白衣を着た『円青樹』を見た。
髪の毛はぼさぼさ、白衣はよれよれ、不精髭を生やし下駄を履いたその男のIDカードには確かに『円青樹』と書かれた書かれていた。

続く

次回4月8日UP予定です♪

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愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』3本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-08

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。

▼3本目『黒酢でもろ活性』

終わった。
僕の輝かしい未来。
僕は緊張しながら円先輩を見つめた。

お爺様「円君とは奄美大島の密林で会ったのじゃ。野生児だった円君を会社に入れるのは大変でな」

お爺様はそう言っていたけど、僕は信じなかった。
伊藤苑を成長させた伝説の男・円青樹はイギリス紳士風の出立ちで、朝は茶室から始まり、午後にはテラスでアフタヌーンティーを嗜む。
そんな人だと勝手に思い込んでいた。
僕はお茶といえば茶人を思い浮かべるような平凡な想像力を恥じた。
伊藤苑は、いや円先輩は違うのだ。

円先輩「大丈夫か? とりあえずこれを飲め」


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「はい?」

そういって円先輩が僕に手渡したのは黄金の液体。
明らかに『黒酢でもろ活性』だ。
それも500mlのビーカーになみなみと注がれている。
僕は円先輩を見た。
円先輩は力強く頷いた。
僕は一気にいった。
黒酢が喉をくすぐり、咳が出そうだ。鼻孔から黒酢の香りが抜けていく。

円先輩「ちょっと待ってろよ。風呂入ってくるわ」

続く

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愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』4本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-12

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。

▼4本目『WW ブラック』


隣から水音がする。
憧れの円先輩がすぐ傍でシャワーを浴びている。
子供の頃から抱いていた憧れと、イエティの画像が頭の中で混ざり合う。
複雑な気持ちだ。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「コーヒーでも飲むか」

僕は自動販売機の前で悩んだ。

伊藤君「いつもは『TULL COFFEE』だけど、もう一人前の社会人だから節約しないとね。『WW ブラック』にしよう」

僕は鞄からトリュフチョコレートを出し、ぱくりと口に入れた。そしてコーヒーを一緒に飲む。

伊藤君「あぁ~、この滑らかな舌触りのトリュフチョコと『W ブラック』のマリアージュが最高~。舌の上でさぁっと溶けていくチョコレートにコーヒーが重なり合い、口の中へと広がっていく。チョコの甘みと隠された苦み、そしてWのすっきりとした苦さ。頭は目覚めるが、体はクールダウン。これぞアポロンとアルテミスの交わり」

「ほう」

僕は声に驚いて後ろを振り返った。
そこにはまさにアポロンのような麗しい美男子が立っていた。

アイコン 円先輩

続く

次回4月14日UP予定です♪

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愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』5本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-14

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。

▼5本目『一日の野菜』


整った顔。鍛えられた美しい胸筋。長い足。腰に巻き付けられた白いタオル。艶やかな立ち姿。
だが彼が醸し出す香りには覚えがあった。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「……まさか、円先輩?」


アイコン 円先輩

円先輩「まさかって、さっき会ったばっかりだろ。そういえば自己紹介がまだだったな。俺は円青樹(まどか せいじゅ)。開発室室長だ。よろしくな」

爽やかで、どこか色っぽい円先輩の瞳から僕は目を逸らせない。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「伊藤若葉です。宜しくお願いします」

目を逸らそうとお辞儀をしたが、何故かタオルへと視線がいってしまう。
僕は恥ずかしくなって頭を上げた。

アイコン 円先輩

円先輩「あぁ、さっぱりした。伊藤君も汗をかいたら使うといいぞ」

円先輩は冷蔵庫から『一日の野菜』を取り出し、ぐいっと飲んだ。

円先輩「ぷはー! 風呂上がりはやっぱりこれだよな!」

オヤジな台詞を吐いても、美男子はやっぱり格好良かった。
その時、冷たい声が聞こえてきた。

「起きたか。円さんをイエティ呼ばわりしたルーキー君」

続く

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ジャンル : 小説・文学

愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』6本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-16

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。

▼6本目『リンゴ酢×カルシウム』


お兄様の声だ。
僕は恐る恐る振り向いた。


アイコン 名波響

お兄様「私は名波響。研究員“助手”だ。よろしくな、新入“研究員”君」


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「伊藤若葉です。よろしくお願いします」

お兄様は母方の姓を名乗っている。もちろん会社側に経営者一族である事は知らされていない。
優秀な兄だが、毎年、味覚テストで落とされ研究員(社員)になれず、助手(年度契約アルバイト)止まりなのだ。


アイコン 名波響

名波「ところで伊藤苑にはイエティなどという未確認生物はいないぞ。言葉に気を付けたまえ」


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「はい」

冷たい、声が冷たい。
お兄様に聞かれたなんて、最悪だ。


アイコン 名波響

名波「伊藤君、これを飲みなさい」


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「はい?」

お兄様がくれたのは『黒酢×カルシウム』だった。


アイコン 名波響

名波「東大院出の私が提案した『リンゴ酢×カルシウム』がさらに進化したこのドリンク。人々が嫌う酢の酸味をミルク味のまろやかさを加え飲みやすく改良した傑作商品。君の疲れを吹き飛ばすだろう」

麗しい兄の笑顔と純粋な愛。

続く

次回4月19日UP予定です♪

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テーマ : BL小説
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愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』7本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-19

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。

▼7本目『黒酢×カルシウム』


しかしその愛が重すぎる。
何故、黒酢。
先程僕は黒酢を500ml飲んだばかりだというのに。だがお兄様の自信に満ちた瞳に圧され、少しだけ口に含んだ。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「ぶはっ! この味は……!! ミルクが酸っぱいというのは人にとって危険なサイン。人が持つ本能的な危機回避能力が避けたいと思ってしまうようなこの味を、“黒酢は健康飲料だから” “カルシウムは骨粗鬆(しょう)症予防に必要な栄養素だから”と混ぜてしまった結果、出来てしまった『黒酢×カルシウム』。これはヤバ過ぎです」


アイコン 円先輩

円先輩「あははは、実に的確だな」


アイコン 名波響

名波「何を言っているのだ。お酢とカルシウムだぞ。健康志向のお客様は毎日飲んでくださるに違いない」

お兄様は僕の手からパックを取り上げると、ちゅーっと飲み干した。端正な顔立ちのお兄様が紙パック飲料を吸っている。僕には厳しい兄だが、その姿は華麗で美しい。
その時、女性が入ってきた。

「円室長はいらっしゃいま……きゃあああ!」

続く

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愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』8本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-21

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。


▼8本目『TEA&TEA オレンジティー』


そう、円先輩は未だに腰タオル姿なのだ。
セクハラ裁判の光景が頭に浮かび、冷や汗が出る。

「……ありがとうございます。目の保養になりましたわ。ところで室長、こちらの予算資料に目を通していただきたいのですが」

円先輩はタオル姿のまま書類にサインをし始めた。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「え? スルー!?」

お兄様が上から目線で僕を見た。


アイコン 名波響

名波「イケメン無罪を知らなかったのか? 美しいものに平伏すのは世の常だ」

書類にサインする円先輩のすぐ横で、女性社員は彼をじっと見つめていた。視線を逸らせないのだろう。これで仕事になるのか?

「円室長、『TEA&TEA オレンジティー』はいかがですか?」

女性社員が紅茶を渡す。


アイコン 円先輩


円先輩「おう」

目の前で繰り広げられる光景が、なんとも艶めかしい。大人の世界って感じだ。

円先輩「フラボノイドの苦味うめー! さ、終わったぞ。メシ食いに行こう」

円先輩は大股歩きで出口へと向かっていった。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「円先輩、服!」

続く

次回4月22日UP予定です♪

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愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』9本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-22

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。


▼9本目『WW シナモンカプチーノ』


社員食堂。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「広いですね」


アイコン 円先輩

円先輩「食事しながら情報交換もするからな」


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「そうなんですか。凄い、なんか会社って感じだ」


アイコン 名波響

名波「感じじゃない、会社だ」


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「うぅ、冷たいお言葉」

お兄様が怒るのも無理はない。
僕は偉大な開発者である円先輩に無礼を働いたのだ。
いつもの優しいお兄様ではなく、ここでは厳しい先輩なのだ。


アイコン 円先輩

円先輩「名波、その辺で止めておいてやってくれよ。可愛い新入社員だからな」

僕は円先輩に後ろから抱かれ驚いた。
体中が一気に熱くなる。
そしてその紅潮した顔をお兄様に見られ、非常に恥ずかしい。
いつもなら僕に抱きつく男女を即、鉄拳制裁しているお兄様だが、今日は拳を震わせながら俯いて我慢していた。
この関係、『WW シナモンカプチーノ』のシナモンが魅せる辛さと甘さのように複雑です、お爺様。
僕らはトレイを運んで席に着いた。
その時。
入口から僕らの席まで赤い絨毯がさーっと進んできた。


アイコン 伊藤若葉

伊藤君「なに!?」

続く

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愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』10本目(N:藤間しおん I:石原理)

2010-04-23

☆ 伊藤苑に入社した天才的な味覚を持つ伊藤若葉君のドリンク探求物語。


▼10本目『瓶コーラ』


食堂の通路を走る赤い絨毯。
その上を歩いてくる男と、黒いグラサンを着けた二人の従者。


コカアイコン肌赤茶

「Let's コーラ! でジュ☆」

ポーズを決める派手なハンサム男。どこの部署なのだろう。

「ハーイ☆ 私は古河(こかわ)・C・ジョン。君が新入社員の伊藤若葉君だね。おや、食事中かい。さぁ、これを飲みたまえ」

そう言って男が指を鳴らすと、僕らの前に冷えた瓶コーラが置かれた。


アイコン 名波響2

名波「コカ公、他社の社員のくせに、何故ここにいる」


伊藤アイコン2

伊藤君「え? 他社の方なのですか!? ここは伊藤苑の社員食堂なのに?」


コカアイコン肌赤茶

コカ「ふははは、気にしな~い☆ 私はいつでもどこでもフリーパスな男なのさ。冷たいうちにどうぞ」


伊藤アイコン2

伊藤君「いただきます」

僕はコーラをコップに移そうとした。

コカアイコン肌赤茶

コカ「伊藤君はコーラを飲む時のマナーを知らないね。瓶コーラは瓶に口を付けてぐっと飲む。これが僕らのルールさ。口を付けて飲みやすいこの瓶口」


伊藤アイコン2

伊藤君「瓶に口を付けて飲むのですか。初めてだ」

続く

 カテゴリー 20話~30話を読む。

次回4月26日UP予定です♪

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『伊藤君と円先輩』』書籍化決定!

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